うさぎの蝶番

※個人の感想です

実はアナ雪まだ観てない

元来あらゆる流行りものに真っ先に飛びつく性ではなく、仮にそれが興味のある事柄であったとしても、まずは購買先駆者たちの反応を待つことにしている。イノベーター理論でいうアーリーマジョリティかレイトマジョリティかというところだろうか。

今は我先にと投稿された「◯◯を試してみた」系の記事やら動画、それにリアルタイムなツイートといった膨大な消費者視点のデータがあるので、今後の自分の行動について決断するまでそう時間はかからない。

 

しかし、わたしが『アナと雪の女王』(以下『アナ雪』)を観ていない理由は、これらの情報源から「自分は興味が持てない事柄だ」と判断したからではない。作品を解説する際に多くの人が用いていたキーワードはわたしの気を引くものばかりで、友人知人が語る断片的な感想を聞いては素直に面白いと思っていた。

ところが、わたしは未だ『アナ雪』を観ていない。

 

端的に言うなれば、原因はレリゴー食傷である。これがわたしの鑑賞を長いこと妨げているのだ。

テレビを点けても街に出てもインターネットをしていても、あの歌は必ずどこかで流れていた。当初は「良いメロディーだ」とでも思っていたような気がする。少なくとも不快感を覚えていなかったことは確実だ。(ただし、結婚式に使いたい曲ランキングで名前が並んでいるのを見たときはさすがに眉をひそめてしまった)ところが、この歌はあまりにもわたしを包囲し過ぎた。

遠近法を利用して撮影した「進撃の巨人ごっこ」や被写体のジャンプとカメラのシャッターを押すタイミングを合わせて撮った「マカンコウサッポウ」が一時期ツイッター界隈で話題になっていたけど、正直同じネタは3枚程見れば飽きていた。そんなわたしの耳に四六時中レリゴーが入り続ければ、飽きを通り越してもっとマイナスな感情が生まれてしまうのも当然のことなのかもしれない。気付いたらわたしはレリゴーアレルギー患者デビューしていた。

 

念の為に記すが、わたしは『アナ雪』アンチではない。特にエルサには妙にシンパシーを覚えていて、あらすじを読んだ後の今でも映画を観ながら彼女の心の動きをぜひとも感じたいと思っている。(仮にアンチだとしても、それを名乗るのは観た後にするべきだというのが持論だ)

 

4ヶ月で円盤売上枚数が300万枚突破*1ということで、恐らく知り合いの少ないわたしでも何人かに声をかければ一人くらい観賞用にどうぞと貸してくれる人がいそうな気はする。しかし、今はまだそのときではないと思う。せめて、企業各社が行っているコラボレーション企画の嵐が落ち着いて、ソファーに座っているオラフのぬいぐるみ(※プレゼント)をまともに見られるようになってから。いつか余計な感情が出て行った真っ白な状態で、真夜中にひとりで観たい作品だ。